ゴールデンウイークです。皆様いかがお過ごしですか?
サービス業のアタクシには、毎年あんまり関係ないシーズンでございます。っていうか、一年の中でも忙しいベスト3に入る時期ですの。えっへん。
というわけで、せっかくのGWでも遊びまくるわけにもいかず・・・。まあ、こういうときは、録り溜めしていて見忘れていた映画でも、ちまちまと見るのにちょうどいいかと。
で、
ブライアン・デ・パルマ監督の
「殺しのドレス」をチョイス。
私ねー、この有名作品、見たことなかったんですよ。だから以前から見たくて気になっていて、やっと念願叶った感じ。それに、この手の昔の有名作品って、今見るとどうしたって古臭かったり突っ込みどころがありまくりだったりしますよね?それがまた楽しみであり。
で。見た感想はというと、
「デ・パルマはシャワーシーンが好きだなぁ!!」
冒頭のエロエロモード全開のシャワーシーン、「サイコ」へのオマージュなんだろうけど、裸体を嘗め回すカメラアングル、無意味に長すぎて、「はて、私は一体何の映画を見ているんだっけ?」と首を80度くらい傾げること必至。そういえば「キャリー」の冒頭も、意味不明に長いシャワーシーンじゃなかったっけ?
これはあれですかね?やっぱり「エロティック・サスペンス」の王道ってことなんでしょうか?!
あと、欲求不満熟女のケイト(
アンジー・ディッキンソン)が美術館で出会った(逆ナンを仕掛けようとした?)男に強引にタクシーに連れ込まれて、車内で行為に及んでしまうシーンも、これまた不必要なほどエロエロモードが長い!(笑)デ・パルマはサスペンスと同じくらい、エロに情熱を傾けている偉大な映像作家なんですね。若かったのね、彼も・・・。それにしても、お金持ちの奥様風熟女が、安いイエローキャブの中でウッフンしてしまうこの猥雑さ。なんか「にっかつロマンポルノ」みたいで(見たことないけど)、男の人ってこういうの好きなのね~とニマニマしちゃいました。(え?誤解?)
この作品って、公開当時はラズベリー賞を取ったほど酷評されたという話は本当ですか?私は子供だったから全然知らないんですが、評価が上がったのは、むしろ後年になってからなのでしょうか?そのへんの流れが知りたいわ~。
でもやはり、
エレベーター内でのカミソリ殺人のシーンは、マジで怖い!!!今見ても十分ショッキングでした。
もっと若い頃にあんなの見ちゃったら、しばらくは恐ろしくてエレベーター乗れなかっただろうなぁ。白い衣装に鮮血がほとばしる対比が、分かりやすくてGOODよ。
あの時代って(1980年)、エレベータの中に防犯カメラが設置されてなかったんですね。鏡があるだけで。犯罪やり放題じゃん。おそろしー!
ケイトが惨殺されたところをも目撃してしまった娼婦のリズ(
ナンシー・アレン)が、ヒロインなのになぜか全然感情移入できないのがある意味スゴイ。犯人らしき女(どう見ても女装の男なのに、なぜ「女」と信じられているのか)に追われるシーンを見ていても、心配な気持ちにならないのは何故?!私って冷血?(笑)
ナンシー・アレンってデ・パルマ監督の元嫁ですよね。メラニー・グリフィスみたいな質感だなぁ。レイア姫が丸顔になった感じもするし。っていうか、ナンシー・アレン=ロボコップしか浮かばない私ですが、いいですか?
犯人に関しては、さすがに今見るとベタすぎて新鮮味はないけど、昔だとこういうオチはショッキングだったのでしょうね(あ、でも「サイコ」もこのパターンなのか)。今はもう、小説やら映画やらでありとあらゆるサイコスリラーを見聞きしちゃってるから、どういうパターンを持ってこられても途中で読めてしまうんですよね。それってちょっと不幸かも。だって、まったく予想できずに「えーー!ウソーー!!」って恐怖に震えたほうが絶対楽しいと思うし。
どっちにしろ、
マイケル・ケインが主演している時点で、やっぱり必要以上に「何かあるぞ?」と疑ってしまうんですよね(笑)。
こうやって見てみると、マイケル・ケインとかアンソニー・ホプキンスとか、英国の俳優さんって静かなる狂気みたいなのが似合いますね。マイケル・ケインがレクター博士でも悪くなかったかもしれないわ。ああ!私、いろんな俳優バージョンでレクター博士を見てみたい!ガタイのいい体育界系レクターでジーン・ハックマンとか、ゲイテイストのレクターでイアン・マッケランとか、いかがですか?(笑)
話が脱線しましたが、「殺しのドレス」、あれこれと突っ込みつつ、楽しんで見ることができました!舞台になったニューヨークも、まだ日本人から見て「憧れの大都会」だった時代だから、雰囲気がなんともイイのよねー。
それにしても、やっぱりデ・パルマって粘着質だよなー。最近はちょっと「枯れ気味」と言われてるようだけど、老いてなお盛んなところをこれからもギラギラと見せ付けてほしいものです。がんばれ、オヤジ!!