いきなり
「女囚さそり」のポスター画像ですが、映画評ではありません。うふ。
「星座シリーズ」でございます。今回は
蠍座です。
蠍座といえば、神秘的、セクシー、嫉妬深いなどなど、なんだか美川憲一の歌のイメージばかり浮かびそうですが(笑)、
海外スターを調べた時に、意外とさっぱり系でチャーミングな、ガッツのあるタイプが多いのに驚いた経緯があります。
さて、アジアに目を向けるとどんな感じなんでしょうか?
(ちなみに女囚さそりの梶芽衣子さんは残念ながら蠍座ではなく牡羊座でーす)
☆ 蠍座の有名人(アジア編)☆
・伊原剛史 ・内田裕也 ・梅沢富美男 ・及川光博 ・岡田准一 ・木村拓哉
・高島政宏、政伸 ・つんく ・長瀬智也 ・西田敏行 ・森進一 ・山城新伍 ・山本耕史
・石田えり ・井森美幸 ・内田有紀 ・大原麗子 ・川島なお美 ・倉木麻衣 ・田中美佐子
・千秋 ・仲間由紀恵 ・二谷友里恵 ・山本未来 ・渡辺満里奈 ・チョン・ジヒョン
なるほど、と思ったのが、男性陣。
ジャニーズの美形パート担当の面々や、
ナルシストっぷりが商品になっているミッチーなど、比較的わかりやすい色男が並ぶ一方で、わりと独特の存在感がある個性派も多い。天秤座のときみたいにスマートなハンサムではなくて、蠍座ならではの
「濃さ」がありますね。っていうかもうオジサン連中はコテコテって感じ(笑)。
男性タレントでブレイクする人って、どこかに
中性的(女性的)フェロモンが漂う人だって何かで読んだ事があります。思いっきり男っぽい人って、案外人気出ないんですって。そういう意味では、蠍座の男性タレントさんたちは、結構当てはまるんじゃないかなー。私の友人が
「V6の岡田くんの顔ってエロイよね」と言ってました。私は好みが違うので「え、そーお?」と内心思いましたけど、でもたしかに岡田くんって年上キラーっぽいですね。(私にとってのエロイ顔というのは、ジュリーとか佐藤浩市みたいな顔なんですが。)
で、女性陣ですけど、こっちは思ったとおり、
さっぱりチャーミング系と、
しっとり濃密系が混在してますね。自分の体内の血がワインでできてるとか妄想癖のあるお方もいれば、旦那の顔をハイヒールで殴って離婚した元お嬢様女優→現実業家のやり手の方もいらっしゃるし、いやはや濃いわ(笑)。仲間由紀恵さんとか山本未来さんとか倉木麻衣さんあたりは、ベタついた感じはなくてむしろサラッとしてそうだけど、「陽」か「陰」かと言われれば紛れもなく
「陰」なんですよね。内田有紀さんはデビュー当時はボーイッシュが売りで「陽」のイメージだったけど、この人、目にちょっと哀感がある感じがします。
男女とも、明るくてもやっぱりどこか
翳りのあるタイプが多いですね。しかもみんな結構
傷つきやすそうなのに精神がたくましそう。さすが蠍座です!上には加えなかったけど、歌手の
aikoも蠍座。素朴な顔立ちと裏腹に、徹底して
恋愛至上主義的に歌い続けるところ、まさに蠍座ガールっぽい気がします。
蠍座の文化人、有名人なら、
阿川佐和子、
糸井重里、
井上ひさし、
俵孝太郎、
手塚治虫さんらがいらっしゃいます。
☆ 蠍座シネマ この一本!☆
蠍座の映画監督は、ヨーロッパ
お耽美系(?)が多いんですけど(
ルキノ・ヴィスコンティとか
ルイ・マルとか)、今回とりあげたいのは
パトリス・ルコント監督。えーと、勝手なことを書かせていただきますと、私はこの監督は
「男のロマン(エロス)万歳」系の人だと思っております。女性というものを、生身の本当の姿を描くよりも、男性から見てファム・ファタール的というか、なんだろう、一種の記号として
「男性にとっての夢の女性、もしくはそういうシチュエーション」を描くことに命を懸けてるような感じがするんですよ(言いすぎ?)。もちろん女性を描いてない作品もいろいろありますけど、女が出てこようと出て来まいと、基本は「男のロマン」。「男の視点」をものすごく大事にしている気がします。っていうか完全に男の視点で映画作ってますしね。
ルコント監督の作品の男性主人公って、ヒロインに憧れ恋焦がれながら、実はそんな自分自身を一番愛しているようにも見える。でも、それってたぶん恋愛の究極の真実のような気もするんですよ。恋愛で報われなくて辛い思いをしたりするときって、相手そのものを失う辛さももちろんあるけど、それ以上に、相手を愛した自分を失う辛さ、ここまで愛したのにその自分を否定しなくてはならない痛みみたいなもののほうが実は大きい気がしませんか?逆に相手を失ったとき、悲しみと裏腹にどこかでホッとする自分がいたりもする。恋愛ってとことん自己中で身勝手なものなんですよね、たぶん。
異性に憧れ恋をするとき、その内面には少なからず妄想とか偏執狂的な感情が表れるものだと思うし、男性は特にそういう傾向が強いと思うんだけど、普通はそういう感覚を表にさらけだすのって恥ずかしいし、イヤですよね。ルコント監督って、その生々しい感覚を隠さない人じゃないかなぁと。で、これまた勝手な憶測だけど、
両思いより片思いのほうが好きそう(笑)。女の現実を受け入れることより、女を見つめて自分の中で増殖していく衝動とか狂おしい感情のほうに重点を置いてる感じ。だからどこか自虐的だったりする。すごく身勝手に見えるときもあるし。絵的にも、ちょっと冴えない中年男と美女、とか「美女と野獣」までいかないけどそういうの好きですよね。そっちのほうがエッチな感じするしね(笑)。
「髪結いの亭主」とか
「仕立て屋の恋」とか
「イヴォンヌの香り」とか、もろに「男のロマン(エロス?)」を追及してる感じで、正直私はあんまり好きじゃなかったんですけど、
「橋の上の娘」は
ヴァネッサ・パラディの硬質な魅力とモノクロの画面がよく合っていて、しかもちゃんとラストは前向きな恋愛になっていたので(?)、結構好きでした。
やっぱりね、恋に生きる情熱の蠍座監督さんとしては、いくつになっても少年のウブさとエロさを隠さずに、究極のロマンチシズムを追求していくんでしょうね。
そういえば
ヴィスコンティの
「ベニスに死す」も、主人公の中年男性が美少年へ一方的に想いを募らせ、徐々に壊れていく(?)さまを描いていて、まさに「究極の愛の世界」って感じでした。ちょっと凡人には難しいけど無視できない危険な香りがあって、深遠な蠍座の愛のワールドを覗き見たような気になれるかもしれません。
☆ 蠍座の小説家 ☆
蠍座の作家さんは、「あーなるほど」と言いたくなるようなビッグネームが並びます。
北方謙三さん、
小池真理子さん、
山本文緒さん、
福井晴敏さん、
渡辺淳一さん。ね、濃いでしょう(笑)。福井さんはアクション&エンターテイメント小説のイメージがあるからちょっと異質な気もしますけど、渡辺淳一さんとか小池真理子さんなんてもう、「ザ・蠍座」って感じ。
小池真理子さんは、何歳になっても恋愛を追及し続けている印象があります。いや、すごいっすよ(笑)。私は昔のミステリーと恋愛をからめた軽めの作品が読みやすかったですけど、最近はさすがにちょっとお腹いっぱいな感じで読んでいません。すみません。でも随分前になっちゃいますが、
直木賞を受賞した
「恋」は、やはりすごく印象的な作品で胸に残りました。「恋」って言っても男女の一対一のロマンスの話じゃなくて、もっと複雑で複数の人間が絡み合って生まれる「情愛」を描いてるとでも言うのかな。普通の恋愛のカタチじゃないんだけど、主人公にとっては他に代わりのきかない至福のときがそこに流れていて、でもそんな幸福が長続きするはずもなく、やがてある人物の登場によってすべてが崩れ始めて悲劇が起こる、そんな物語だったと思います。最後まで読んだとき、ひたひたと悲しみと慈しみの気持ちが押し寄せてきて泣きました。
山本文緒さんの小説も一時期集中して読んだものです。この方はすごく怖い小説を書くんですよね(笑)。怖いって別にホラーじゃないんだけど、なんだろう、人間心理の根源的怖さとかやるせなさとかを描き出すのがすごく上手い気がします。あと人と人との関わりにおける、自覚のない残酷さとか。逆にふとした何気ない温かさも。
山本さんって結構濃度の高い内容を書いていても、作者の視点がすごく冷静で俯瞰的な感じがします。だから重いテーマを拾っていても、常にドライな空気感が漂っていてそこが私はすごく心地良かった。そもそも作者が自分の作品に酔ってないって、すごいことだと思うんですよ。特に恋愛が絡む小説だと、
「やれやれ、この作者が一番酔ってるよー」っていうの結構多いですよね。ああいうのはちょっとねー。
一番印象に残っている作品は
「群青の夜の羽毛布」と
「プラナリア」。
「群青・・・」はなんか生理的に訴えてくる作品で、とにかく怖かった。何度も言いますが、ホラーじゃないんです(笑)。でも怖かった・・・。
「プラナリア」は短編集で、様々な理由で「働いていない」人物が出てくる話が集まっています。これも面白かったです。結構山本作品のヒロインって病んでるんですよね。うちの母に以前この本を貸したら、「病的な人ばっかり出てきてちょっとキモチワルイ」と言ってましたが、私はそれほど不健康な精神は感じなかったんですよ。なんたって文体が乾いててどこかあっけらかんとした哀しみがあるから。私も一時期心身ともに参ってた時期があったので、共感するものがかなりありました。山本作品は、ちょっと投げやりな気持ちにとらわれてる人に特にオススメかもしれません。なんとなく救われるような気持ちになると思います。
どちらの作家さんも人の心の深遠を掘り下げて書く印象があります。作品に蠍座ならではの
「精神性の高さ」と
「情念」がよく表れてる気がするんですがいかがでしょう?
さて、蠍座の花と言えば、わーいイメージどおりで良かったー、の
「蘭」です。
色といい形といい、風情といい、まさに「ザ・蠍座」!濃厚ですね。
魔性の女っぽい!