ユアン・マクレガー、
ナオミ・ワッツ、そして
ライアン・ゴズリングとなかなかの顔ぶれの役者が顔を揃えているわりに、あまり話題にならなかった映画、
「STAY」。
気になっていたんですが、やっと見れましたよ。見る前から
「過大な期待はやめておこう」と思ってました。なんとなくそんな予感がしたもので(笑)。
で、実際見た感想なんですが。
これ、感想書きにくいなー!
ユアン演じる
サムは精神科医で、恋人の画家
ライラ(ナオミ・ワッツ)は自殺未遂歴のある元患者。
サムは、自分の車を燃やした精神不安定な青年
ヘンリー(ライアン・ゴズリング)を治療することになるのだけれど、ヘンリーの奇妙な言動に振り回され、次第に自分自身も何が現実なのか分からない不安感に苛まれるようになっていくんです。
最初は整然とした美しい映像だったのが、途中から同じ映像が何度もリピートされたり画面が歪んだり、突然登場人物が血を流し始めたり、なんだか不条理な迷宮にはまりこんでいくような演出になっていきます。
以下、若干オチに触れてるので、見たくない人は見ないでね。
大体こういう映像を見せられれば、観客は途中から「あれ?これってやっぱり・・・」と不吉な(?)予感を抱くものですよね(笑)。
私も家で母と見ていて、
「これってようするにシックス・センスオチ?!」とか
「もしかして同一人物オチ?!」とか
「いっそ多重人格?!」とか、それはそれは賑やかにディスカッションしてしまいましたよ。
私なんて、途中で半ばヤケになり、「分かった!ユアンとライアンとナオミが全部同一人物の三位一体説だ!」とまで言いましたから。
ラストまで見ると、「あーーー。やっぱりそっちのオチかい」とある意味脱力。
以前見た映画だと、ハーヴェイ・カイテルの「ルル・オン・ザ・ブリッジ」のオチに似てます。
私は正直このパターンのオチを持ってくる映画が好きじゃないんですよ(「ルル・オン・ザ・ブリッジ」はわりと好きだったけど)。
なんというか、ルール違反のような気がしちゃって。「それをやったら何でもありじゃん!」という文句を言いたくなるんです。
ただ、この映画に関しては、ラストでそのオチが明かされるところがなんともせつないんですよね。そこに辿り着くまでの、もったいぶった(失礼)まわりくどい(重ねて失礼)長い描写は果たして必要だったのかと首をひねりたくなるものの、ラストのライアンくんのせつなさと悲しさを思うと、やはり胸が痛むのです。
なので、「まあこういうのもありか・・・」となんとなく自分を納得させた感じかなぁ。
けど、私はやっぱりこういう作り方の映画は・・・うーむ、手放しで賛同しにくいんですが(笑)。
私がこの映画全編を通して何が一番気になったかというと、
ユアンのファッションだ!!(笑)
あの、
くるぶしが見えるズボン丈(あえてズボンと呼ばせてもらうよ)に何か意図はあるのか?!(笑)
一人だけ、へんてこりんなズボン丈で出てくるもんだから、
「このズボン丈には何か絶対理由があるに違いない!きっとこの短いズボン丈が物語の謎を解くキーになってるのだ!そう、例えばあんなちんちくりんのズボンを穿いていた幼い頃のユアンの記憶に何か重要なヒントが隠されているとか・・・・!!」
などと、ものすごく無意味な期待を抱いてしまったほどです。結局何も関係ありませんでしたが。どなたか、あのズボン丈の意味、教えていただけませんかね。
(・・・と、思っていたら、
小夏さんからのヒントでネットで検索できました。ちゃんと理由があったんですね、一応)
素敵なファッションのユアン(左)。このズボンの色もポイント。
ナオミ・ワッツは相変らず美しいっすよ。パツキンの美女がグレーを着ると、なぜあんなに映えるのでしょうか。うらやましい。
あと
ボブ・ホスキンスの盲目の演技がなかなかGOODでした。
いろいろ文句を書き連ねましたけど、個人的には憎めない映画という印象です。
手にしていた幸福を思いがけない瞬間に失ってしまうとき、人の心はどれだけ嘆き悲しみ、その痛みに泣くのだろう。そんなことを、ラストシーンのライアンくんを見ていて考えてしまいました。
そこにタイトルの
「STAY」の意味があるんですね、きっと。