昨年から続いていた仕事が一段落しました。通勤が遠く、とにかくハードな労働に何度もへこたれ、このブログに泣き言を書いて皆様に暖かいお言葉をかけていただいたりしましたが、ついについに異動が決まり、今週から新規プロジェクトへ移ることになったのです。やった~~!(しかしまたしても遠い・・・。でも気心が知れたメンバーとの仕事なので気分的ストレス度が全然違うのです。)
今までは都心方面へと向かう通勤だったのでラッシュにもまれてゲンナリでしたが、今度は某海岸のすぐ近くへの通勤。湘南ですよ、湘南。(笑)
それにしても、人間の体と心って繋がっているのか、今までの職場のラスト出勤を終えた翌休日、久々にフラフラと貧血の症状が出ました。やっぱり疲れがたまっていたのと、張り詰めてた神経がプツッと緩んだのでしょうかね。そんなわけで昨日はどこへも出かけずゴロゴロとビデオを見ながらボンヤリすごしました。またこれからGWが終わるまで、怒涛の労働が待っているんだもの、ちょっとくらいボケボケしてもいいじゃないのさー!
で、昨日はワタクシ、本当~~に今更って感じですが、ようやく
「ミリオンダラー・ベイビー」を見たのです。オスカー受賞作だというのに、去年なんとなーく見そびれたんですよ(実は
クリント・イーストウッド作品はあんまり相性が良くない)。見ないでいるうちに、周囲やネットで感想や情報をたくさん吸収してしまっただけでなく、予告映像を見てあらすじが読めてしまったので、ストーリーも大体知っていたのです。(あれってモロにネタバレ予告だよねー?!)でも、やっぱり実際に観てみないとね。
「クラッシュ」の
ポール・ハギス監督が脚本を手掛けてもいるしね。
で、感想ですが、ありとあらゆる素晴らしいレビューがネット上に既に存在しているので、もう今更私が長々と書くことはないと思い、今回は感じたことを少しだけ書こうと思います。
評判どおり、とても重厚で心を揺さぶる作品でした。
ヒラリー・スワンクの魂をかけているような熱演も、イーストウッド演じる
フランキーの哀しい決断とその後の彼の行く末も、重いんだけれどなぜか一筋の光が見えるかのようなせつないラストも、とても素晴らしかったです。劇場で見たらきっとグワーッと胸がいっぱいになったんじゃないかなぁ。
でもね、私この作品「好きか?」と聞かれたら、やっぱり「うーーん・・・」と躊躇してしまいます。映画っていうのは一人一人意見や好みが分かれて当たり前だと思うんですけど、だからこそあえて書いちゃうけど、私はやっぱりあのストーリー展開は好きとは言えないんですよね・・・。
マギーの選択も心の叫びも理解できるし、物語上ああいう展開にするのが一番自然だったとは思うんだけど、そして一見悲惨なようでいて希望すら感じさせる静かな鮮やかさも感じられるんだけど、でもねー、やっぱり肯定はしたくない。というか心の隅っこに違和感が残ったままなんですよね。それってなんだろうって考えてみたら、映画の前半、ボクシングに賭けるマギーのあれほどのひたむきな強さとガッツと精神力を見せられているので、後半の彼女の選択が、(ああいう状況だから当然とはいえ)あまりにも「淋しく」見えてしまったんですよね。
人生の輝きを失って、「生きながら死んでいる」ようなこれからの後半生を思ったら、最高のまま燃え尽きて終わりたい、という気持ちも良く分かるし、当事者でなければああいう立場になった人の真の絶望は理解できっこないから、偉そうにどうこう言える問題ではないんだけど、それでもやっぱり私はマギーだからこそもう一度「あきらめない強さ」を見せてほしかったな、と思ったのです。輝いていなければ「人生」じゃないの?自分で動くこともできない、病院のベッドに縛り付けられた毎日しかないとしても、それでもそうして人生を送っている人もいることを、否定してしまうの?って、そう思ってしまった。そういうモヤモヤが私の中に澱のように残ったので、素直にこの作品を「好き」だと言えないのかもしれません。
でもすごくいい映画だと思う。一日経って思い返してみると、マギーの人生の終わらせ方も、彼女なりの精一杯の生き方だったんだなと受け入れられる気がしてきたし、それを助けたフランキーのやりきれなさも染みてくるし。やはり、評判に違わず、人の心を震わせるパワーに溢れた作品だと思いました。
しかし。イーストウッド監督ってのは、たしかに上手いよねー。職人だよねー。たまにその上手さが鼻につく私が悪いのよ、きっとね(反省)。
☆総まとめ☆
モーガン・フリーマンがいないと、この映画が成り立たん!主役より存在感のある助演って、いいのか悪いのか・・・。